金属3Dプリンターの基礎知識を紹介

金属3Dプリンターは今注目されている技術で、コスト削減や効率化の為に利用されつつあります。まだまだ発展途上な技術ですが、その基礎を知ってこれからの導入を検討するための知識を入れるのがおすすめです。

金属3Dプリンターとは

金属3Dプリンター

いま立体造形物を製作できるものが増えており、その中でも注目されているのが3Dプリンターです。個人でも購入できる価格になり、自宅で製造を楽しんでいる人が増えています。その様子はSNSにも投稿されており、3Dデザインの技術があれば設計が可能、そしてそれの出力ができます。しかしこれはあくまで樹脂を利用したもの、これは融点が低いので自宅で利用することができるのです。ここでは樹脂3Dプリンターではなく、金属3Dプリンターについて紹介いたします。金属3Dプリンターは個人では導入できない価格や機能をもっていますので専ら工業用としての利用が目的とされています。低いものでも融点が600度の金属を用いての造形なので、自宅ではそう扱えないのです。

また金額についても億近くの製品が多いためやはり工業用としての利用がメインです。そんな金属3Dプリンターですが、金属粉末にレーザーや電子ビームを照射するほか、液体結合剤を用いて金属粉末を固めて製造するというものです。造形はパソコンで行う必要があり、そのデータで金属3Dプリンターは作動、そのデータ通りに造形をしてくれます。その精度やスピードはその金属3Dプリンターによってばらつきはあるものの、今でもすでに小型品であれば大量生産の可能性が見出されており、試作品の製作などで実用化されているケースが増えています。中にはプリント後に工程が必要なものもありますが、いずれもデータから立体物を作るということで非常にロマンがあるものです。そしてそのロマンは現在実用化されており、データを手に取れる状態にもっていくことができる、その出力装置として金属3Dプリンターは利用されています。

これは製造現場で利用されていますが、幅広い分野にこれで作られたものは利用されており、航空宇宙・医療など人為的に作るとコストがかかるような造形物を作るのに利用されつつあります。医療では人工股関節など製作されており、確実に人々の役に立っているのです。まだまだ課題が多い装置故に今では至らない部分もありますが、年々進化しているので、近々それらがもっと広く利用されると見込まれています。データが基本になりつつある現代において、それを逆に物理的に引き出すために重宝されている装置なのです。樹脂3Dプリンターが登場したときかなりの盛り上がりがありましたが、素材を金属にできるこちらはよりさまざまな実用性が見出されています。

今の特長と課題

金属3Dプリンター

金属3Dプリンターの導入を考えているものの、いま抱えている課題などを基礎知識として把握していなければなかなか踏ん切りがつかないです。これらの情報は導入においてとても大事なこと、いま導入するのがベストか、それとも尚早かを考えるためにもここでは今現在の特長、そして課題について紹介いたします。まず機械設計の自由度が高いです。軽量化、低コスト化、新機能の実現などの自由度が非常に高く、それゆえに新しい機能を搭載した製品がこれからもでると思って間違いないです。そしてコストパフォーマンスが良好であるというところ、これは小型品に限りますが、数個から数十個の部品を一体化可能で製作できます。金型・治具の必要もないのでどの製作でも考えられていた小ロットではかえって製造コストがかかってしまうという点をクリア、小ロット生産を低コストで行えるようになっています。

開発リードタイムの短縮も可能で、サンプル品を提出する必要がある場合、完全品でなくて問題ないのであればこの金属3Dプリンターは活躍する場面がより広くなります。調整前の試作品に金型などを作っているとそれだけでコストがかかるもの、その部分を解決してくれるのです。そしてここからは課題の問題、これも多いのでしっかり特長と比べていきたいところです。まず材料コスト、金属粉末の低コスト化を課題としています。そしてこれらプリンターはいずれも速度が問題視されており、実際樹脂3Dプリンターも造形が完了するまで時間がかかります。ずっと監視するなどの必要はないものの、やはりスピードが上がればその分効率が上がるので、その点も今改善をはかっています。今のところ速いものもありますが、その場合造形精度を犠牲にしているケースが多いので両立が課題といえます。次に後処理工数、中にはサポート材の除去が必要なものもあります。いずれサポート材を完全に必要としない造形方法を考え、後処理工数を減らす、あるいは無くすのが課題です。

そして最後に、やはり導入コストの問題です。購入は勿論のこと、他にも付帯設備費用、メンテナンス費用が高額です。こうした課題は次から次へと出るもの、いずれも改善に向けて業界はまい進していますが、いつ完全解決をするかどうかは不明です。これらが解決されるまで今まで通りにいくか、それとも今でも実用されている範囲で導入を試みるかのタイミングの見極めが大事です。いずれにせよ、金属を金型など用いずに造形できるというのはメリットが大きいです。そのため、先立って導入している企業が多いのも事実、タイミングをはかるのは大事ですが、いずれ導入をおすすめしたい、そんな設備です。

試作時の検討がおすすめ

金属3Dプリンター

こうした金属加工品は試作品を出さなくてはならない場合にコストが発生します。そしてその試作品がもし調整が必要になってしまった場合、工数が増えて大変です。しかし金属3Dプリンターを用いている場合であれば、調整する部分は物理的なことではなくデータとなります。データのいいところは微調整が必要になってもパソコン作業で行えること、実際試作品を作る前に3Dデータを確認してもらうなど物理的なコストをかける前に対策ができるという部分です。勿論3Dを作るための知識や技術が必要なので、コンピューター関連のソフトや技術者が必要ですが、そこまで組めているのであれば非常に有用な設備が金属3Dプリンターなのです。最初から物理的にアプローチするよりも、デジタルを通すことでコストを削減し、データが完成したら金型無しでそのまま出力が可能です。また監視は必要なく、全てオートで行えるよう既に整えられている金属3Dプリンターが殆どなので出力中見ている必要はなく、人員を他の作業に割けます。

金属3Dプリンター導入について

金属3Dプリンター

いずれ導入がおすすめの金属3Dプリンターですが、現段階コストの面など課題になる部分が多いというが事実です。しかし現時点でも導入することで大きなメリットを見出せるケースもあります。そのため自社の状態を見て、どのタイミングで導入を検討し、そして導入する場合であればどのタイプの金属3Dプリンターにするか選ぶのが大事となってきます。目的によって必要になるものが変わりますので、しっかり目的をもって検討がおすすめです。現段階ではどうしてもコストがかかりすぎるという場合であっても、今後もこの金属3Dプリンターは発展を続けますのでどこかの段階で待ち望んでいた開発が行われる可能性があります。大きくコストカットできるかもしれないと判断できるタイミングでの導入がベストなので、今後の動向を見つつ検討をおすすめいたします。